「ココが聞きたい」 医学生物学研究所社長・佐々木淳氏 バイオサイエンス方向性は? 「抗体医薬品」素材開発したい

更新日:2013年 2月23日 (土)

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今後の成長分野として「機械化が一つのキーになる」と話す佐々木淳社長

 臨床検査薬や基礎研究試薬の研究開発、バイオベンチャー企業の支援などを手がける医学生物学研究所(MBL)はこのほど、ベンチャーのACTGen(アクトジェン)を吸収合併した。バイオサイエンス分野は研究開発に時間がかかり、研究開発費用の回収までたどり着けないベンチャーが多い。アクトジェンもその1社だった。MBLの佐々木淳社長に業界展望やベンチャー支援の方向性などを聞いた。
 ―アクトジェン吸収合併後の経営は。
 「長野県駒ケ根市のアクトジェンの研究所を基礎研究試薬研究開発の中心拠点とし、同県伊那市にあるMBLの研究所の一部の人員や設備を集約する。アクトジェンの得意技術を生かし、バイオ医薬品の中で注目の高い『抗体医薬品』の素材開発につなげたい」
 ―ベンチャーの支援策は。
 「ベンチャーは大手メーカーから研究の一部工程を受託してるのが現実だ。MBLは約10年前にベンチャーなどの集合体『MBLネットワーク』を発足した。研究開発費用の回収につながる製品化を目標に、会員企業の得意技術や販売網を共有化してきた。ここ2、3年で、会員企業が製品を製薬メーカーに提案し、年間単位でライセンス収入を得られる流れが出始めた。安定してライセンス収入を得られるようにしたい」
 「もう一つの課題は機械化への対応だ。分子の質量などを測定する『質量分析』や、ゲノム(全遺伝情報)を解読する装置『次世代シーケンサー』など、機械による解析の技術革新が急速に進んでいる。無駄な治療をなくす個別化医療促進のため、薬の効果を患者の遺伝子配列から判定する『コンパニオン診断薬』も今後伸びるだろう」
 ―ベンチャーが生き残る道は。
 「MBLは基礎研究試薬と臨床検査薬の両方を手がける国内有数の企業。基礎研究を経て実用化に向けた臨床研究に進むのだが、基礎で発見した新しいメカニズムなど先駆的な情報を臨床に生かすことができる。iPS細胞が基礎(発見)から驚くべき速さで臨床に進むように、基礎から臨床までのスピードは今後もっと速くなる。だからこそ、基礎と臨床両方の研究開発を進めることが重要だ」

 

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