「論説」 自衛隊護衛艦にロックオン 「専守防衛」力強く主張を

更新日:2013年 2月18日 (月)

 中国軍艦が日本の海上自衛隊護衛艦をロックオン―。日本の護衛艦内に、非常事態を告げる警報が鳴り響いたという。肌で聞いた自衛隊員はさぞや緊張したことと推測する。
 今回、日本は事実をすみやかに公表した。国際社会に中国の暴挙を知らしめるのは外交上、攻めの一手となる。今までの外交戦略から一歩踏み出した英断といえるだろう。
 日本は専守防衛の徹底を続けてきた。苦い敗戦の経験から、それは今後も継続していただきたい。軍事衝突はなんとしても避けなければならない。
 一方で、北からはロシア、西からは韓国、南からは中国、外交圧力がここにきて増しているのも事実だ。独立国として、自国防衛は「自然権」(元副総理)としてある。ロックオンが自然権をおびやかすものならば、防衛するのは当然のことだ。日本国は国民の命を守る義務がある。
 問題はその手法だろう。ロックオン返し―。そんな言葉があるかどうかはわかならいが、仮に相手の軍艦にロックオンしたら、軍事衝突が現実味を帯びる。それは最後の最後の手段だ。
 今回踏み切った事実の公表から一歩進め、「ロックオンされたら、日本は専守防衛として逆にロックオンすることもありえる」。そんな専守防衛に関する力強いガイドラインを国連などの公式の場で表明したらどうか。
 国連に加盟する国は、どの国も同じ立場になる可能性がある。賛同が広がるのではないだろうか。ましてや中国は自国中心的な行動に定評があり、近隣諸国もそれは十分、承知しているはず。多くの国が賛同し同様の意見表明が相次げば、日本は国際社会という大きな後ろ盾を得ることができる。
 中国は国を治める指導部が大幅に入れ替わり、権力移行の過渡期といえる。そのはざまで今回の事態が起きた。日本の事態公表から中国が「でっち上げ」と正式に表明するまで3日間の空白があった。権力基盤が盤石ではない新指導部が、どのような見解を表明するかについて迷い、悩んだ形跡といってもいい。
 中国を国際社会から孤立させるのは、日本にとって得策ではない。がっちりとした信頼関係を築くことが大切なのはいうまでもない。主張すべきことは主張し、耳を傾けるところは耳を傾ける。互いに自らの意思をぶつけなければ、本当の意味の信頼関係は築けない。
 そのような意味においても、日本は専守防衛のガイドラインを力強く主張し、中国の新指導部が権力基盤を固める中でしっかりとした着地点を見つけ出す。それが対ロシア、対韓国との外交においても、よい前例としてプラスに働き、日本の外交全体の安定化に寄与すると考える。

 

中部経済新聞の記事がスマホで読めます

2013年 2月18日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2013年2月 > 18日 > 「論説」 自衛隊護衛艦にロック...