
「精密なマーケティングを行い、無駄のない出店を行う」と話す左右田社長
東建コーポレーションは、2008年秋のリーマン・ショック以降の新規出店を極力控えてきたが、昨年までの4年間で経営体質を強化。拡大路線への転換を視野に再始動に乗り出した。「再び成長曲線を描くための足場固めをする」と語る左右田稔社長に、今後の戦略などを聞いた。
―今年の経営方針は。
「出店計画を見直す。私自身が陣頭指揮を執り、10人から20人程度の出店準備組織を立ち上げる。これまで、全国の主要都市に新規出店してきたが、直営店があるべき地域に直営店がない問題などが生じていた。効率良く出店するためには、より『精密なマーケティング』が必要だと判断した。外部からマーケティングの専門家を招くことも検討している。来年1月をめどに、新たな出店計画を発表したい」
―重点的に出店する地域は。
「関東エリアの市場開拓が、今後の業績拡大の鍵を握っている。都市部など入居需要の高いエリアは直営のホームメイト店を中心に出店してきた。今後は直営店とフランチャイズチェーン(FC)店の両面の出店を強化していく」
「不動産業界は、仲介力が強くなければ生き残れない。顧客が欲しいと思う情報を即座に提供できる仕組みを構築することが重要だ。自社の仲介力と各地域FC店の仲介力を合わせて、経営基盤を強化していく」
―ネット事業にも積極的に取り組んでいる。
「百貨店や病院など具体的な施設名を選択し、その周辺の賃貸物件を無料で探すことができる『施設検索ホームメイト・リサーチ』の展開に力を入れている。今後は、このサイトの『有料掲載サービス』に力を入れる。施設の詳細情報や動画を提供する企業が広告主となりサイトを運営する仕組みだ。1年後をめどに、このネット事業で収益確保を目指す。現在は情報を発信するだけだが、今後は交流サイト(SNS)の構築など、あらゆるサービスを盛り込む方針だ」