「論説」中小企業の事業承継は喫緊の課題

更新日:2013年 1月28日 (月)

 長寿大国だけでなく「長寿企業大国」でもある日本。創業200年を超える企業は世界に5600社近くあるが、半分以上を日本企業が占めている。島国で他国から侵略されにくいという環境であることは言うまでもないが、目先の利益を追わず堅実経営に徹し信頼を財産としてきた日本的経営がこうした数字に表れているのだろう。
 国内には100年以上続く企業がおよそ2万社ある。帝国データバンク名古屋支店がまとめた調査によると、愛知県内には業歴100年を超える企業は1281社あり、今年、新たに76社が「100年企業」に名を連ねる。
 長寿企業の多くは、日本経済を支える中小企業だが、減少傾向にある。グローバル化という世界経済の大きな流れの中で、本来は持ち続けなければいけない<強み>を捨て、うねりに飲み込まれてしまった企業がある。
 また、最近は、優秀な技術や技能を保有していても後継者がなく、次世代にバトンタッチできずにやむなく事業継続を断念せざるをえない企業も増えている。
 経営者を対象にした各種セミナーが各地で開かれているが、テーマに「事業承継」を取り上げることが増えてきた。中小企業にとって事業承継は大きな問題のひとつとなっており、2013年度の税制改正大綱にも事業承継税制の条件緩和が盛り込まれた。
 中小企業基盤整備機構がまとめた「事業承継実態調査報告書」によると、事業の承継先について「家族・親族」が40・2%、「役員・従業員」が14・3%となったが、「第三者への承継(M&A)」(2・6%)と「廃業をしようと考えている」(7・8%)、「明確に決まっていない」(28・8%)を合わせると、実に4割の企業が、後継者がいない、第三者への承継を検討、廃業を検討するといった先行き不透明な状況にある。また、後継者の決定の有無についても「決まっていない」が47・1%とほぼ半数を占めた。
 1千年以上続く企業も存在する日本の企業。歴史と伝統のある企業の多くには「利より信を取れ」「会社をむやみに大きくしてはならない」「日々革新」「本業から逸脱してはならない」など、代々伝わる<家訓>という経営戦略があり、その家訓に従って独自の企業ガバナンスシステムを確立し、遵守して受け継いできた。
 企業にとって業容拡大をめざすのは当然のことだが、継続なくして拡大も永続的発展もない。当たり前のことが、喫緊の課題になっている。

 

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