「論説」 オバマ氏再選これからが本番 米国の外交は「出る杭」貫け

更新日:2012年 11月 9日 (金)

 平等と自由は日本では理想の概念で1セットで語られるが、米国では対立する言葉との認識。平等は誰でも均一な公共サービスが受けられることだが、自由はアメリカンドリームに代表されるように突出する文化。米国民のDNAは自由を求める血が脈々と流れている。未開拓の地から国をつくりあげたという意識は強く、一般生活レベルでもコミュニティー運営ではほとんどの人が口を出し、積極的に運営しようとする。一方、日本では出る杭は打たれるで、目立たない事が望まれる。
 再選を果たした米大統領オバマ氏が昨日朝から執務を再開した。今後のオバマ政権に託されたものは、これまでの自由ではなく、国内経済立て直しによる平等社会の実現だ。
 中部企業の米国駐在経験のある人が語っていた。つくずく日本の保険制度のありがたさを再認識したという。その人は救急車で病院に運ばれた。米国ではクレジットカードで支払い能力があるかどうかを確認してから手術が行われるそうだ。もうろうとする意識の中で、お金のことを心配しながら救急車で運ばれたそうだ。
 米国の保険制度では2010年3月に今後10年間で3000万人以上の無保険者を解消する医療保険改革法案に署名し、同法が成立した。低中所得者に強制的に加入させて、所得で負担額の上限を設定、上限を上回った分は国が負担する仕組みを整えた。これでほとんどの人が医療保険の適用を受けられる状態となった。
 もう一つは経済再生。米国の自動車業界が盛り返している。背景には2008年の経済危機で破綻しかかった自動車業界に巨額公的資金を注入して救済した。現状維持ならオバマ氏は再選されなかったかもしれない。
 日本の政治に目を移すと、誰がやっても難しい状況という見方が多いのかもしれない。ならば第3党にでも託してみるか、という消去法の国民の選択もあるだろう。こうした現実を考えると、国民に映るオバマ氏は「頼れる指導者」と評価されたことになる。
 日本経済はやはり米国次第。暴走の懸念ある中国ににらみを利かせることができるのは大国・米国維持しかない。10年ほど前に民主化を唱え力づくでイラクの独裁を倒した米国が財政赤字に悩み、充分な対応ができない状況となっている。米国の対中姿勢が日中関係にも影響する。オバマ大統領が就任時に唱えた「YES・WE・CAN」の言葉は今となっては遠い過去のように思える。経済再生、平等社会の実現では成果は上がっている。最初のデビューは華々しい印象だったが、今から始まる第2ステージからが本番だ。

 

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