「論説」 新分野の成長促進が急務 まずはニッチ市場狙え

更新日:2012年 10月19日 (金)

 企業の海外移転の流れが続いている。円高対策から、国内市場の縮小対応に比重が移ってきた。このため、新分野の成長を促進することが急務となっている。
 本紙の記事をみると、大手に加え、中堅、中小の海外移転が一段と加速している。大手自動車部品メーカーはインドネシアやタイなどで生産能力を増強中で、日系自動車メーカーに加え、現地メーカーへの供給を増やす。加えて、中小の海外進出の事例が増えており、製造業だけでなく、サービス業までマーケットを求めて海外に出ていくようになった。
 日本政策金融公庫の取引先で海外現地法人のある企業は今年3月末で5000社強にのぼる。20年前の10倍に当たる。
 新分野の成長を推し進めることが待ったなしの情勢となっている。具体的には、「環境」「生活」「先端分野」がターゲットになるだろう。「環境」では再生可能エネルギー、スマートグリッド、コンパクトシティなどの推進が求められる。これらは持続可能な社会の実現に向け、成長が求められており、大きなビジネスチャンスがある。
 「生活」では、医療・介護や防災などが注目される。医療は健康保険制度が破綻の瀬戸際にあり、持続可能な医療システムへのニーズは大きい。東日本大震災に続き、列島各地で震災のリスクが高まっているとされ、防災製品や防災に強い街づくりなどに商機がある。
 生産年齢人口の減少に伴い、女性の社会進出が一層求められている。働く女性が子供を預けられる保育施設の不足が社会問題となっているが、子育て支援も成長分野だろう。
 これらの分野は世界的なニーズが強まっており、国内だけでなく、海外でも必要とされる。製品やシステムの輸出につながる。
 厚生労働省の推計によると、2060年時点の我が国の人口は8600万人台となり、65歳以上が4割を占める。このままでは人口の減少率以上のスピードで国内市場が縮小する恐れがある。
 これを防ぐには、「環境」などの成長分野を伸ばし、社会、経済を活気づけていくことだ。これに向けて、国などの中小企業支援制度の見直しも必要だ。
 さらに、中小企業同士の連携を強化し、製品開発力を引き上げよう。それほど大きな市場を狙う必要はない。成熟化社会ではニッチ市場が新たに生まれる。まずはニッチ市場を狙った提案を積極的に行いたい。
 海外に活路を見出すだけでなく、新たな地平に向け思い切って踏み出すべき時期に来ている。

 

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