「論説」APEC首脳会議を終えて 天然ガスの生産拡大に期待

更新日:2012年 9月11日 (火)

 ロシア極東ウラジオストクで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が9日、2日間の日程を終えて閉幕した。採択された首脳宣言では農産物価格の高騰につながる食料輸出の規制の回避や、増加するエネルギー需要に対応するため、シェールガスを含む天然ガスの生産拡大と貿易拡大を盛り込んだ。
 天然ガスは二酸化炭素(CO2)排出量が比較的少ない、最もクリーンな化石燃料の一つと位置づけられた。従来の天然ガスに加え、地中深くの岩盤から採取するシェールガスなど新型のガスにも注目している。
 シェールガスは泥土が堆積してできた「頁岩(けつがん)(シェール)」と呼ばれる岩盤内にあるガス。シェールオイルとともに新たなエネルギー資源と呼ばれている。これらは掘削が難しいなどの問題があり開発が進まなかったが、埋蔵量は豊富で将来のエネルギー源として期待されている。
 一方、原子力についてもクリーンなエネルギーであり、専門知識を共有した上で安全な利用を呼びかけた。
 今回の共同宣言は、中部の産業界にとっても影響するところは大きい。とりわけ浜岡原子力発電所が停止している中部電力ではLNG(液化天然ガス)を多く使う火力発電所の稼働を増やしているからだ。知多市にあるLNG受け入れターミナルでは月間のタンカー受け入れが過去最高を更新している。天然ガスの生産拡大は大きな関心事だ。
 天然ガスの需要が拡大すれば、価格の高騰が予想される。国内の原発の今後の稼働状況が見通せない中、天然ガスへの依存度は今後も続くだろう。米国とともに天然ガスの主要生産国であるロシアとの関係強化が喫緊の課題になる。領土問題などはあるが、シベリア鉄道の活用なども含めて、ロシアとは経済的に結びつきを強めるのが双方にとって利益になるだろう。
 今回の首脳宣言ではアジア太平洋自由貿易圏の実現に向けて検討を続けることも盛り込まれた。さまざまなハードルがあるものの域内の安定成長を促し、世界経済にAPECの主導的な役割を強化するためにも、2国間の貿易強化は有効な道だ。

 

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