「論説」若者の旅行離れに歯止めを 行動特性認識して需要喚起へ

更新日:2012年 8月24日 (金)

 観光庁が、若い世代の旅行離れに歯止めをかけるとともに、旅行促進を図ろうという取り組みを本格的に行っている。
 ある研究機関がまとめた調査によると、20~35歳の国内宿泊者の延べ人数は3313万人(2011年度)で、05年度と比べると実に1千万人以上も減少しているという。少子高齢化の進展などを考えると、旅行関係者はもちろん、国内の観光地にとっても深刻な問題だろう。
 中部北陸9県に外国人観光客を呼び込もうとする「昇龍道プロジェクト」をはじめ、多くの自治体が観光に力を入れ、さまざまな取り組みを展開している。しかし、こうした調査結果をみる限り、近い将来、厳しい状況が予想される。
 このため、観光庁は若者の旅行需要を喚起する施策を打ち出そうと、10年に「若者旅行振興研究会」を立ち上げ、振興策の検討に乗り出した。
 研究会を通して得られた成果や、若者が実際に旅に出たくなるような事例から、具体的な若者の旅行振興に資する方策をまとめ、若者旅行振興に向けた具体的な提言と、今後の取り組みについて次のように示した。
 若者は3人以上のツアー参加が多いため、3人以上の旅行参加による特典を積極的に打ち出すこと。さまざまなテーマの中から若者を引きつける明確なテーマを設定すること。旅行とは違うさまざまな業種のホームページから旅行商品を誘引することなどにより新たなニーズを開拓する間口を広げること。大学のゼミなど潜在的な旅へのニーズがある層へのアプローチ―などを上げた。
 確かにその通りだろう。なぜ今までそうしてこなかったが不思議なくらいだ。3人以上の参加が多いといった最近の若者旅行動向は当然、旅行会社が把握している情報ではないだろうか。そうした情報を取り入れた商品開発を怠っていたことが問題である。ホームページから旅行を誘引するのはもちろんだが、ブログやSNSなどで「この旅行、このツアーがよかった」といった情報が発信されているだけに、若者が旅行をしようとする、したいなと感じる動機付けとなるツールを利用しない手はない。
 この夏休み期間中、東日本大震災の被災地向けなどボランティアのツアーも人気があったようだ。企業レベルでも新入社員研修など宿泊を伴う潜在需要はあるはず。
 若者の行動特性を認識し、把握したうえでの施策、商品開発が若者の旅行需要の開拓、需要喚起につながる。

 

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