「論説」政治家よりも実業家 常に成長を追求し続ける活力

更新日:2012年 7月10日 (火)

 債務危機に悩む欧州から、財政再建ばかりでは経済が疲弊してしまうのでやはり成長が大切だという政治家の発言が聞こえてくる。それを耳にして、欧州も日本がたどったいつか来た道を歩き始めようとしていると思った人は多いことだろう。
 日本がたどったいつか来た道とは、言うまでもなくバブル崩壊後の状況のこと。財政再建と成長が大切だから景気刺激をという2つの選択肢の間を揺れ動き続けた結果、借金大国となり、大幅な歳入不足に陥った。のみならず、財政再建か経済成長かという分裂状態からいまだに脱け出すことができず、国の方向性を明確に語ることのできる人がいないまま現在に至っている。
 このような無残な状況を20年以上も見せつけられてきた人は、この二者択一の考え方自体が間違っているのではないかと思い始めているのではないだろうか。結果的に、どのように財政再建を行い、どのような経済成長を目指していくのか、何も見えてこないばかりか、外国の成長ぶりに無関心ではいられない段階に入ってきたからだ。
 政治家の言う経済成長が具体的に何のことを言っているのか、明確に示されることはほとんどないが、多くの人が連想するのは税金を使って箱物を建設する行動パターン。
 しかし、箱物をつくり始めると、箱物の建設費のみならず、維持費が必要になり、管理するための組織がつくられ、いくら税金があっても足りない状態に陥っていく。これに終止符を打つために行ったはずの事業仕訳も期待外れのまま終わり、いまだに税金を使って経済成長をという主張が語られ続けている。
 どうすれば経済が成長するのか、具体的なイメージを持っているのは、税金を使うことしか知らない政治家ではなく実業家のほうだ。何に投資し、どのように経営すれば収益が上がるのかを絶えず追求し続けるのが実業家だからだ。
 バブル経済になっても、それがはじけて先の見えない長い経済の停滞期に入っても、消えていく企業がある一方で成長し続けていく企業がある。このような企業には、好況も不況もない。税金に頼るようなことはせず、し烈な商品開発競争や販売競争を繰り広げ、自らの成長の道を追求し続ける。経済の観点からは、そのような実業家にしか日本の未来を切り開くことはできない。

 

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