「論説」 めざせ「旧東京銀行」 信金の海外ネット共有を

更新日:2012年 6月29日 (金)

 東海地方の地元金融機関が中国や東南アジアなどの金融機関と提携する動きを加速している。主要取引先の中堅・中小企業が相次いで海外に進出しており、それを側面支援するのが狙いだ。地元金融機関と地元企業との二人三脚はすばらしいことだと考える。
 一方、地方銀行や信用金庫はどうしても体力でメガバンクに劣る。海外に支店や駐在員事務所を新設することは、初期投資、常時費用とも国内支店の比にあらず。自ら動くことには限界がある。
 多くの地銀はメガバンクの系列下にある。力関係では弱い立場だが、系列メガバンクの海外拠点を利用することが可能だ。
 一方、信金は友好関係にあるメガバンクがないことはないが、系列と呼べるほど密に連絡を取り合っているわけではない。メガバンクの海外拠点を活用することは現実問題として難しい。
 そこで一つ提案がある。信金が手を取り合い、海外ネットワークを共有してはどうだろう。
 信金自ら海外に拠点を持つことは不可能に近い。海外の金融機関と提携することが第1歩となる。だが一つの信金が取引先の進出国、すべての国の金融機関と提携するのは無理だ。全国の信金を束ねる全国信用金庫協会や地域の協会が主導し、国内オール信金で世界各国の金融機関との提携を網羅すればいい。
 信金は営業エリアが限定されている。信金同士の顧客争奪戦は、メガバンク同士や地銀同士のそれに比べれば「えげつなさ」が少ない。手を取り合う道を切り拓くことは可能だと考える。
 中国や東南アジアへ進出する企業は、円高に伴う輸出採算の悪化を嫌った製造業が中心だ。その代表格が自動車産業。中部地方には自動車産業を担う中堅・中小企業が多く、信金の顧客層と重なる。
 中堅・中小企業は親身になって経営相談に応じてくれる信金を頼りにしているはずだ。信金、一つ一つの規模はメガバンクに遠くおよばないが、力をあわせればメガバンクに劣らない存在感を放つ。今後も中堅・中小企業から頼りにされ続けてほしいのだ。
 三菱東京UFJ銀行の前身の一つは東京三菱銀行。さらにその前身は三菱銀行と東京銀行。三菱と東京が合併して「三菱東京」とならず「東京三菱」となったのは、海外で「東京」の名が広く知れ渡っていたからだと聞く。信金の海外ネットワーク共有が、旧東京銀行のような役割を果たすことを期待したい。

 

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