中川彰日本車輌製造社長 北米と東南アジアで受注確保

更新日:2010年 7月16日 (金)

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「橋の維持補修にも注力したい」と語る、中川氏

 日本車輌製造の新社長に、中川彰氏が就任した。中川氏は、親会社であるJR東海の技術畑出身。新幹線「N700系」の大型受注などが寄与して過去最高決算となった前3月期から一転、今期は減収減益見通しと厳しい内容になっている。将来像をどう描くのか。中川新社長に聞いた。
 ―厳しい業績見通しでの船出となった。
 「前期は、ロシア向け貨車製造設備機器などスポット案件で利益が伸びたのであり(減収減益見通しは)気にしていない。今期の収益計画である売上高950億円、最終利益30億円をきちんと達成する。JRでの経験を生かし、日本車輌でしか出来ない事業を展開したい」
 ―国内の鉄道車両の受注環境は。
 「少子化で鉄道事業そのものが拡大は見込めない。加えて鉄道車両は新幹線で15年、在来線で20~30年と寿命が長く、景気動向と別のところで山谷がある。受注競争も激しい」
 「一方で、前期末の鉄道の受注残は1024億円。N700系や、在来線のディーゼル機関車など向こう2年の受注残はそれなりに確保できる」
 ―海外は。
 「北米と東南アジアに重点を置き、受注活動を展開している。北米はシカゴの通勤輸送のための2階建て客車など延べ800両以上の納入実績がある。今後も積極的に受注確保を目指す。台湾では、700系に近い車両などで受注活動を展開してきた」
 「輸出用鉄道車両向けに開発した衝突対策構造の受注にも取り組みたい。海外向けは端境期だが、なんでもかんでもではなくターゲットゾーンを絞り込み受注活動を展開する」
 ―鉄道車両以外の事業展開は。
 「建設機械の海外市場を開拓する。中国や韓国、香港で杭打ち機の引き合いが増加している。国内需要はリーマン・ショック後冷えているが、大型杭打ち機で高い市場占有率がある。今3月期の建設機械の輸出高は、前期実績比1・5倍の30億円を目指す」
 「架橋工事は、鉄道をまたぐ道路橋の受注が堅調だ。今後は(国内で需要が拡大する)橋の維持補修にも力を入れる」
 ―JR東海とのシナジーは。
 「設計部門や新型車両の開発部門で人的交流を行っている。人的なつながりは、ものづくりに生きてくる」
 ―設備投資の計画は。
 「今3月期の30億円のうち、豊川製作所の新型車両の製造設備に6億6千万円、1億4千万円で本社敷地内に研修センターを新設する。LANを整備するなどして教育環境を整え、効果的で体系的な人事教育を実施する。これまで30億円規模の投資を進めてきたが、今後は老朽した工作機の更新など生産性向上の取り組みが中心になる。投資は今期がピークになるだろう」

 <プロフィル>東北大学工学部卒、1969年(昭和44年)日本国有鉄道入職、87年JR東海入社、02年同常務、06年同副社長、08年日本車輌製造副社長。豊橋市出身。63歳。趣味は鉄道模型の収集。

 

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