「店内の賑わいと買い方の雰囲気が変わってきている」と足元の手応えを話す鐘社長
ジェイアール名古屋高島屋が15日、開業10周年を迎える。3日に始まった記念イベントでは「初日の売り上げは前年比倍」と好スタートを切り、年間を通じて企画を打っていく考え。ただ、専門店の台頭などで百貨店業そのものが問われ、名古屋駅前の再開発問題も浮上している。JR高島屋を経営するジェイアール東海高島屋の鐘政良社長に戦略を聞いた。
―開業10周年の手応えは。
「長らく4M(松坂屋、丸栄、名鉄、三越)という固定的な商圏に知名度のない高島屋が出店して、当時は勇気と不安があったと思う。ただ、進出から10年。買い物をしていただき、順調に育てていただいたと思う」
―百貨店の閉鎖が相次ぐ中、業界自体の構造が問われている。
「地方を中心にオーバーストアで閉店を余儀なくされているが、自分の目で商品を確かめ、対面販売する百貨店の売り方はなくならない。信頼信用が百貨店の原点」
―収益を確保するためには。
「利益率を見ても百貨店業は他産業と比べて経営基盤が脆弱。当社も設立10年の若い会社だが、高コスト体質だ。メタボにならないよう構造改革を進めている」
―具体的には。
「買い回りをいかに高めるかが勝負。例えば、ある化粧品を購入した人にはこの服が好まれるという予想からDMを送付する。ヒット率は上がっており、中心アイテムとどう組み合わせるかが重要になる。社員1人ひとりの意識改革を進め、繁閑に応じた要員配置を柔軟にして生産性向上をさらに進める」
―ファストファッションを取り入れる百貨店もある。
「苦肉の策だと思う。当社は東急ハンズがあり、同じフロアで回遊する意味では非常に良いパートナー。ファストファッションは価格面からも効果があるのか、命取りになるのか。まだ結果はみえない」
―来春の採用計画は。 「来春は若干名の予定。昨年40人、今春23人だったが、設立10年で人材も育ち、定着率も高い」
―JR東海が駅前で計画している新ビルに増床するのか。
「具体的な話がJR東海からまったくない現状ではコメントはできない」