カナダのイカルウイットで開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、景気刺激策の継続を表明して、6日(日本時間7日未明)に閉幕した。世界経済の確固たる回復基調はまだ見えないが、ここに来て各国の財政赤字も問題視され、財政健全化への道筋を示さざるを得なくなるなど、難しい経済運営を迫られることになった。
象徴的なのがギリシャの財政赤字問題。同国では赤字縮小のため社会保障の削減や増税に労組などが猛反発し、ストライキが拡大している。この問題を受けて、世界の株式市場は先週末に大きく下落した。
G7では欧州連合(EU)の責任の下で、ギリシャの財政問題を解決するとされ、市場の判断が注目される。昨年後半のドバイ危機に見られるように、金融危機の火種はまだくすぶっており、各国の初動対応は重要。中国など新興国の台頭で存在感が低下しているG7だが、経済危機のスピーディーな対応では他に頼るところが無い。役割の重さは相変わらずだ。
金融危機再発防止策の一環として、危機対応策で投入した公的資金に損失が発生した場合一部コストを銀行などに補填させる方針も確認した。ただ、オバマ米政権が表明した新たな金融規制強化策をめぐっては、日、欧などの足並みがそろわず、検討課題となった。
金融規制に大きく舵を転換したオバマ大統領の気持は分かるが、性急な規制はかえって混乱を招く恐れもある。世界経済は緊密に結びついており、規制の副作用を慎重に見極める必要がある。金融不安はまだ払拭された訳ではなく、南欧の情勢は流動的。制度の改変は、危機が一応の収束を見てからでも遅くはないだろう。
G7では大地震の被害を受けたハイチに関しては「例外的な対応が必要」として、G7各国に対する債務をすべて帳消しにすると宣言した。このような非常事態には当然の措置だが、それをオープンな場所で決められるだけでもG7の存在意義はある。今後、特定の国が天災で甚大な被害を受けた場合の前例になるし、国際金融を安定化させる仕掛けになる。
ギリシャの財政危機をめぐる白熱した議論も同様で、各国が関心を持つことで、問題解決の道筋を探れるのは大きい。