論説 返済猶予法が成立

更新日:2009年 12月 1日 (火)

 金融機関に返済猶予などを促す中小企業金融円滑化法案が日、参院本会議で採決され、可決、成立した。中小企業や住宅ローンを抱えるサラリーマンらの支援が目的で、金融機関に借り手から申し出があれば、返済猶予など貸し付け条件の変更に応じるよう努力を求める。
 年末の資金繰りが厳しい時に、返済の手助けをするもので、2011年3月までの時限立法。金融機関が安易に条件の変更に応じると、財務の健全性を損なうなど批判もあった法案だが、とりあえず制度はスタートした。どれぐらいの実効性があるか、注視していきたい。
 金融庁は、同法の成立を受けて、金融検査マニュアルと監督指針の改定案を発表した。それには不良債権基準の緩和などが具体的に示され、金融機関の返済猶予の取り組み状況を検査することも検討している。現在は、金融機関が返済猶予に応じても、融資先の債務者区分を不良債権に分類しないためには、経営改善計画などの策定が必要。新法ではこの策定を最長1年間猶予する。さらに借り手の中小企業の経営相談に応じるなどして、資金を適切に供給する態勢づくりを要請している。
 当初、亀井静香金融担当相が「3年程度のモラトリアム」と表明していたのに比べ、幾分後退した感もあるが、信用保証制度の拡充や、金融機関に融資状況の報告義務を課したことで、実効性は担保されていると言えよう。
 この法律自体はあくまで時限立法で、経営が厳しい中小企業にとっては「時間稼ぎ」に過ぎないと見る向きもある。確かに企業の体質が向上しない限り、カンフル剤は単なるカンフル剤に過ぎない。しかし、昨年秋の
「リーマン・ショック」以来の「100年に一度の不況」と言われる経済状況は、中小企業にとっては天災のようなもので、自助努力には限界があるのではないか。そのためセーフティーネットはやはり必要だ。制度を利用する側も、モラルハザードに陥らないように十分気をつけて、与えられた時間の中でより良い方向を見出せるよう務めてほしい。

 

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