「各工場の製品再構築も検討する必要がある」と末松社長
水栓金具メーカーのKVKは、昨年3月に喜多村合金製作所(MYM)から給排水金具・継手事業を譲受した効果もあり、09年3月期は5期ぶりの黒字となった。事業譲受に責任者として関わり、6月に社長に就任した末松正幸氏は「事業譲受の効果を最大限に引き出す」と意欲を見せる。末松氏に事業展開を聞いた。
―どんな企業を目指す。
「継続的に利益が出せる会社をめざす。昨年、当社と同規模の事業を譲り受けた。課題は多いものの、解決していけば数字はついてくる。市況が厳しく、先行きが見通せない時期なだけに、まずは足元をしっかりと固めたい」
―課題、対応策はどうか。
「事業を譲り受けたこともあり、バス、キッチン、洗面の各分野で、同じような商品を併売している。今秋をめどに融合商品の発売をめざしている。デザイン、機能でKVK、旧MYM製品のいいところを採用する。品質と商品力の強化はもちろん、生産効率の向上につながるはずだ」
「長年利益を出せなかったこともあり、設備投資が思うようにできなかった。今3月期は、前の期と比べて倍増の8億円を投じる。特に、旧MYMの富加工場では、機械加工と樹脂成形の設備の強化を進めている。多品種少量で当社が得意とする分野での内製化を進め、納期短縮、在庫削減、品質向上につなげるのが狙いだ。将来的には、全工場の製品の見直しも検討していく必要がある」
―統合は順調に進んでいるか。
「もともと同じ岐阜県内にあり、同業でもあった。違和感はなく、業績の向上にも反映している。相互にメリットが生まれ、うまく進んでいると考えている」
―営業面でも効果が出ている。
「KVKは関東に強く、旧MYMは関西が強かった。新たな代理店が加わり、営業体制が強化された」
「MYMから継手事業を譲り受けたことで、継手、配管など床下の水まわり分野の製品が加わった。入り口から出口まで、水まわりで家一軒まるごと供給できる。このメリットを生かしていきたい。すでに、住居に合わせた配管設計を提供する戸建て住宅用邸別配管システムを発売しており、伸ばしていきたい」
プロフィル すえまつ・まさゆき 南山大学経営学部卒。アイホン勤務後、1988年KVK入社。04年取締役経営管理本部長、06年常務、09年6月社長就任。趣味は読書。岐阜市出身。47歳。