「主要3部門で安定的に収益を上げることが理想」と手嶋社長
マンションや戸建て住宅の新設着工戸数の大幅な減少や地価の下落、オフィスビル空室率の上昇など、不動産業界を取り巻く環境は厳しさを増している。名鉄不動産の社長に6月に就任した、手嶋義彦氏に経営課題と今後の経営戦略を聞いた。
―現状と課題は。
「過去数年間、マンションの販売が好調で、収益源的にもマンション事業に依存していた。昨年来の市況の急激な悪化を受けて、マンションの販売が低迷し前期(2009年3月期)は経常赤字に転落してしまった」
―収支改善に向け、どんな戦略を描く。
「当社の資本金は億円。配当や税金などを考えると、億円ぐらいの営業利益をコンスタントに計上しなければいけない。主力のマンション分譲事業に加えて、賃貸オフィス事業、マンションの管理・仲介のフィー(手数料)事業と主要3部門で安定的に収益を上げることが理想だ。市況に大きく左右されるマンション事業を、安定的な収入が見込める賃貸オフィス事業などでカバーできればと思う」
「ただ、収益構造の変革には時間がかかる。当面はマンション事業が当社の最大の収益源であり、継続的に投資を行っていく。賃貸オフィス事業でも、『大商ビル』(名駅ビル、名古屋市中村区名駅4)を建て替えている。将来性の高い立地などを判断し、積極的に賃貸物件の購入を進めていきたい。一方、赤字の戸建て部門については早急に収支の改善も進める」
―企業風土の改革も進めている。
「課題を見つけ、全社員で共有するためにも、部門別収支、各支店別収支など従来以上に精緻な収益管理を行う必要がある。精緻な数値管理、収益管理をベースに克服すべき課題に対して優先順位をつけて取り組んでいきたい。就任後、社員との昼食会を始めた。社員の生の声を聞きながら、公明正大で透明性の高い会社、権限も委譲して風通しの良い会社にしていきたい」
―ビジネスホテル「名鉄イン」は、名駅地区で2店目の出店を決めた。
「いい物件、土地があれば今後も着実に増やしていく。出店エリアも愛知県内に限られているが、将来的には東京にも出店したい」
プロフィル てしま・よしひこ 1968年(昭和43年)早大商卒、同年名古屋鉄道入社。2002年常務、05年専務、07年副社長。愛知県出身。63歳。