「風通しの良い職場にしたい」と話す上関社長
09年3月期は1942年の設立以来初の最終赤字となったニッセイ。工作機械や自動車関連メーカーからの受注が激減したためだ。今期は連結売上高が前期比3割減の98億円、経常損益は7億円の赤字と、厳しい経営環境が続く見通しだ。4月1日付で新社長に登板した上関恕一氏に喫緊の課題や今後の方針を聞いた。
―社内で最年長の65歳。これまでの経験をどう生かす。
「会社人生の大半は経理畑だった。総務や人事も経験したが、販売、製造は直接の経験はない。皆さんに教えてもらいながら、判断していく」
―最優先課題は。
「黒字転換だ。危機感を共有してもらうことを前提に、2つの方針を掲げた。1つは今やるべきことを確実に実行すること。各部門が人材育成やコストダウン、売り上げの確保を盛り込んだ計画を策定しており、これを着実に遂行する。2つ目は風通しの良い職場にすること。具体的に3つ。1つは誰とでも何でも話しができるようにする。2つ目は管理監督者が聞く耳を持つ。3つ目は情報共有化。私もすべての課を回り、そのトップと討論する」
―受注減で6割操業が続く。
「昨年冬から完全1直体制になっており、今も合理化を進めている。例えば、コストのかかる焼き入れ炉。これまで減速機第2工場と子会社に合計2つあったが、子会社に集約した。それ以外にも受注に合わせた効率生産を徹底している」
―休業日の活用方法は。
「人材育成だ。月に4日休みならば1日8時間はそれに充てる。従来は忙しく、ここまで時間は割けなかった。自分(従業員)の能力を高め、需要回復時でも(むやみに)人を増やさなくてもいい状態にしたい」
―2013年に向けた中期ビジョンについて。
「環境変化が激しく凍結した。今は単年度計画をしっかり練り上げ、早期黒字化を目指すことが優先だ」
―将来の成長に向けた新事業はどうか。
「ロボット関連事業、燃料電池などが候補だ。ロボット関連は、すでに開発部にロボット開発課を設置している。燃料電池では関連ユニットを開発し、工場内で無人搬送する台車の駆動源として活用していきたい」
―海外事業の強化は。
「アメリカに販売子会社、中国には連絡事務所がある。中国では近く上海に販売子会社を設立する計画だ。(経済規模が大きい)中国市場は魅力で開拓余地は大きい。将来の需要動向によるが、生産も視野に入る」
<プロフィル>かみせき・ひろかず 1966年(昭和41年)小樽商科大学商学部卒、ニッセイ入社。00年取締役経理部長、07年取締役監査委員。趣味はミュージカル鑑賞。秋田県出身。65歳。