「プライベート展示会を増やして提案を強化していく」と展開を語る森社長
前年同月比で8割台の受注減が続く工作機械業界。市場低迷の長期化が懸念される中、森精機製作所は3月に欧州工作機最大手の独ギルデマイスターと提携し、業界地図再編に先鞭をつけた。逆風下でも攻めの姿勢を崩さない森雅彦社長に足元の生産や今後の方針を聞いた。
―〇九年三月期は八割経常減益になった。
「ボールねじが反転してゼロ点に戻った感じの印象的な年だった。前期は第3四半期がトントンで第4四半期から赤字。今期は第4四半期から水面上に上がってくればいい」
―ユーザーの状況はどうか。
「納入後四年目程度までの機械一万一千台の稼働状況をモニタリングしているが、稼働率は55%程度と昨年同期の90%に比べ大きく落ちている。新しい機械が55%なので、古い機械はほとんど止まった状態。再稼働には多額のコストがかかるだけに次のリプレース需要が相当出てくるのではないか。プライベート展示会を増やして提案を強化していく」
―一一年三月期までに日本工作機械工業会シェア15%を目指している。前提となる今期の日工会受注額(前期九千六百九十億円)の見通しは。
「五千七百億円。それの15%だから売上高は八百億円に設定した。前期14%弱だったのでうまくいけば15%は今期達成できる。今期の新機種は十五で航空機、エネルギー、自動車向けなど様々に出す」
―生産状況は。
「四―六月は月百台。三月は二百台生産したため半分になる。今の在庫は九月末までに売り切り、すべて新機種に入れ替える。千葉以外の三工場の機械加工・組み立ては月、火だけで水―金曜は研修日に充てている。一時帰休はしない。技能教育は重要で欠かせない。受験生と同様、『今年は準備不足で落ちるから』と勉強しなければ次も受からない」
―ギルデ社との今期の展開は。
「トルコ、タイ、インドネシア、ベトナム、豪州、台湾、韓国で共同販社を立ち上げるほか、欧州に共同でリース会社を作る。今は末端にお金が回っていないので共同でやることで枠を増やしたい」
―各社が力を注ぐ中国市場の営業強化は。
「インドはまだ点でしかないが、中国は線から面化していく。第3四半期までに寧波と瀋陽に営業サービス拠点を出し、十三拠点にする。また日本の一流大学卒で、日本で鍛えたローカルスタッフが育ってきた。そういう人材を中心に中国人所長を数人作りたい」