論説 新型「プリウス」効果に期待

更新日:2009年 5月22日 (金)

 トヨタの新型「プリウス」が好調なスタートを切り、中部の製造業の期待を集めている。市場のニーズにマッチし予約受注は八万台を超え、販売好調は確実視されていた。旧型の倍の世界八十カ国の国・地域で販売するとあって、輸出への寄与も期待される。
 これまで、減産に次ぐ減産を続けていただけに、売れ筋の車種が登場したことによる心理的効果は大きい。トヨタの四月の受注は二台に一台が新型「プリウス」。十八日の発売以降、登録車の動きに期待が持てる。政府のエコカー減税の後押しもあり、五月以降の新車販売には「目に見える」変化が現れてきそうだ。
 そんな中、政府が発表した一―三月期の実質GDP(国内総生産)は、前期比年率15・2%減と戦後最大の落ち込みになった。しかし事前に予想されていただけに、株式市場などへのショックは少なかった。民間の各調査機関によると、四―六月期の成長率は久しぶりにプラス転換すると予想されており、市場の反応は意外なほど冷静だった。
 在庫調整が急速に進み最悪期を脱したという「安堵感」もある。海外に比べて国内企業の生産調整が素早く進展し、経済の落ち込みは大きかったものの、回復速度も速いとの見方も出てきた。七―九月期以降は、政府の経済対策が効果を現してくるという見通しも、株価の下支え要因となっている。新型「プリウス」の受注好調は、そんな景気回復期待の「シンボル」にされているようだ。
 一方、「プリウス」の恩恵にあずかれる所と、あずかれない所では格差が開きそうだ。自動車関連企業が集中する三河や北関東地区でも、地域全体が潤うわけではなく、雇用状況は当面、厳しさが続こう。現在の自動車全体の生産水準は、新規の雇用者を増やすにはまだ力不足。雇用調整助成金などのお陰で、失業者の増加が抑えられている面もある。四月の月例経済報告によると、米国経済の先行きが厳しく、景気後退が長期化するリスクもあるという。
 当面、本格的な回復にはほど遠いとしても、「まだら模様」になるだけで、これまでとは大きな変化だ。新型「プリウス」の呼び水効果への期待は、やはり大きい。

 

2009年 5月22日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...
※Mac IE では動作しません。

2003年以前の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2009年5月 > 22日 > 論説 新型「プリウス」効果に期...