「現場力を高めていきたい」と話す山本新社長
竹田印刷の社長に四月一日、副社長関東事業部長を務めていた山本眞一氏が就任した。山本氏は営業畑出身で、竹田印刷としては初の生え抜き社長となる。印刷市場が縮小するなか、「現場の生の声を大切に、営業を強化していきたい」と話す山本社長に、抱負や今後の事業戦略などを聞いた。
―現状と抱負から。
「昨年の前半は印刷用紙の値上がり、後半からは急速な景気悪化で、厳しい状況が続くなかでの社長交代となった。社内報や資料、宣伝用カタログ、パンフレットなどの商業印刷関係は、企業にとって経費削減の真っ先の対象になる。非印刷部門の半導体関連も昨秋以降、落ち込みが激しい」
「当社の強みでもある『ソリューション営業』をさらに深耕し、顧客のかゆいところに手を届けていく。商談、打ち合わせなどを通じて現場の生の声を聞き、総合的なソリューションビジネスを展開していきたい」
―具体的な戦略は。
「四月一日に組織変更し、中部・関東・関西の三事業部体制を整えた。各事業部長は営業本部長が兼任し、営業の最前線を強化する。まず、市場規模でみると七割近くを占める関東を強化。中部で構築したソリューション営業の導入を目的に、一年前に中部から関東に十数人が移った。これまで関東では弱かった直需の比率を高めていく。また、情報交換や能力底上げのため、今後、全体研修なども計画している」
―生産性向上に向けた取り組みはどうか。
「収益環境の悪化を受けて、生産性向上は喫緊の課題。子会社の吸収合併に伴って関東の拠点を再編、輪転機は九台から七台に集約した。各拠点の生産環境を統一し、内製を増やす。海外では、中国・大連に文字入力やデザインなど印刷の前工程を手がける拠点がある。従業員は約四十人。高品質で安価に提供するためにも、ここをもっと育てていく。工場進出や現地の市場開拓は今のところ考えていない」
―新規事業の育成も大きなテーマだが。
「非印刷部門の売上構成比率を三割まで引き上げる目標がある。国内の印刷産業出荷額は七兆円を割り込み、十年前と比べて約三割減った。半導体関連を拡大するとともに、第三の柱を模索している。昨年、事業開発本部を立ち上げ、専任の役員も置いた。紙に関わる周辺分野で、M&A(企業の合併・買収)やアライアンス(提携)も検討したいと考えている」
<プロフィル>やまもと・しんいち 1973年(昭和48年)3月名古屋学院大経済学部卒、竹田印刷入社。93年取締役第一営業本部長、常務、専務中部事業部長を経て2008年4月から副社長関東事業部長。09年4月社長就任。趣味はゴルフ。津市出身。58歳。