新型インフルエンザでわが国でも四人の感染が確認され、いよいよ人ごとではなくなってきた。検疫官の機転により、カナダから帰国した男子高校生ら四人は、成田空港で水際で隔離され治療を受けた。これまでのところ水際対策が一定の効果をあげているといえよう。
感染が確認された国・地域は新たに中国本土を加えて三十一カ国にのぼり、じわじわと増えてきている。しかし、今回の新型インフルエンザが弱毒性で、通常の季節インフルエンザとそれほど症状が変わらないこと、タミフルなどの治療薬が効いていることから、過剰に恐れる必要はないといえる。
国内の二次感染が今のところ確認されておらず、これから梅雨時に入ることもあって、大規模な感染は当面、抑えられるのではとの見方も。感染者が多い米国でも、ほとんどが軽症で回復していることから、経済活動への大きな制限はしておらず、当初懸念された経済への影響は限定されよう。
一方、豊橋市で感染が確認された鳥インフルエンザ問題は、その後の防疫措置により新たな感染が見つからず、愛知県が終息宣言を出した。関係者はほっとしていることだろう。
鳥インフルエンザは現在、人にうつるのは稀だが、毒性が強いため潜在的な脅威とされている。今回の新インフルエンザは弱毒性だが、強毒性のウイルスが拡散すれば、被害ははるかに広がる。
わが国の新インフルエンザに関する様々な行動計画も、毒性の強いタイプを対象にしている。従って、学校閉鎖や集会の自粛要請など、今の段階では少々なじまないものもある。実情に応じて弾力的に対応すべきだろう。少なくとも経済に悪影響を及ぼすような対策は今は取るべきではない。不況の真っ最中にあって、企業の体力が落ちているだけに、過剰な規制は中小企業にとっては死活問題になることもある。
ただ、新型インフルエンザはいったん流行が収まってからも、二波、三波と流行が繰り返されることも歴史的事実。過剰に恐れる必要は無いが、いざという時の危機管理は常に念頭に置いて、企業は対策に当たってほしい。