名古屋証券取引所に上場する企業の〇九年三月期の決算発表が始まった。今年は未曾有の経済危機の最中とあって、注目度は高まっている。例年発表の早いあみやき亭を皮切りに百八十三社が、今年の業績をどう見通すか、マーケットは固唾をのんで見守っている。
ただ残念なのは、昨年にもまして決算の発表日が集中することだ。トヨタ系が多い今月二十八日が二十五社、五月十五日には過去例のない四十六社が発表を行う。
この要因は東京証券取引所による、いわゆる「四十五日ルール」がある。企業に決算開示を四十五日以内に行うことを要請したもの。以前は五月末に発表が集中していたのを少しでも前倒しして、投資家に詳しい情報を提供するのが目的だった。
しかし、発表日のピークが五月十五日に早まっただけで、以前にも増して集中度合いが高くなってしまった。東証でも事情は同じだが、一社ごとに記者発表の機会を設けている名証ではなおさらだ。
インターネットでだれもが企業の決算資料を入手できる時代だが、それだけに企業の担当者に直接質問をぶつけられる発表の場は貴重。それが過度に集中することにより、内容を十分に吟味できなくなることを恐れる。企業の側でも、伝えたいことを十分に伝えきれるのだろうか。
景気自体はここにきて曙光が見えてきた。地デジ対応の薄型テレビの売れ行きが好転してきた。二月の機械受注も民需は前月比1・6%増と落ち込みに歯止めがかかった。これらを好感して八日の東京株式市場も平均株価が三カ月ぶりに八九〇〇円台まで回復した。
マクロ的には景気は底打ち感が出てもおかしくない水準にきている。定額給付金と高速道路の料金値下げが消費者の懐を潤し、人や物が動けば内需にはプラスとなる。十五兆円規模の財政支出を伴う追加経済対策も、速やかに実行されれば景気のカンフル剤になる。
ただ、個別の企業の経営者はどう見ているのか。三月決算発表の場は、それを全業種にわたって聞くことのできるまたとない場だ。大切にしていきたい。
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