麻生内閣の支持率が急落している。共同通信社の世論調査によると、内閣支持率は25・5%と十一月の前回調査から15・4ポイント減。発足わずか二カ月半で支持率が%を割ったのは最近にはない事態だ。「選挙の顔」として選ばれたはずの麻生太郎首相がこうも不人気だと、衆議院の解散はさらに先延ばしになる可能性がある。
「経済の麻生」として登場したはずの首相だが、発言にぶれが目立ち、当初のイメージは大きく色あせた。特に景気対策に必要な〇八年度第二次補正予算案の提出先送りは、野党ばかりか身内の自民党からも批判が出ている。
サブプライムローンなどによる被害が相対的に軽かった日本経済だが、ここにきて輸出の急減など、実体経済に大きな悪影響が出ている。雇用問題も一気に噴出しており、景気や雇用対策に一刻の猶予もならない。国民はそれを敏感に感じ取り、政府の対応の生ぬるさに業を煮やしたのだろう。
震源地の米国だけでなく、中国でも景気対策の取りまとめは早かった。鉄道建設などを中心に、総額五十七兆円の緊急経済対策を行う方針。二次補正予算案を先送りし、二兆円の定額給付金さえ発言がぶれる麻生内閣とは大きな違い。危機に際してのリーダーシップに国民が不安を感じるのは致し方ないだろう。
前任の福田政権が年金問題で大きく支持率を落としたように、国民は一つの失敗にも不寛容になっている。米国のオバマ次期大統領が、就任前からビッグスリー救済策に影響力を発揮しているのと比べると、麻生首相の求心力の低下は否めない。
首相周辺は「今のような激流で船を乗り換えるわけにはいかない」と懸命に支えているが、自民党内でさえ批判勢力とみられる向き動きが活発化している。
景気の予想以上の急激な悪化で、政権政党にはどうしても批判が集まりやすい。派遣労働に関しても、規制緩和の弊害を強調する論調が高まっている。昨今表面化した野放図な「派遣切り」という現象をみれば、それは十分な説得力をもつ。
首相がそれらに対して、どういう思い切った政策を打ち出せるのか。国民は注視している。
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