論説 中間決算発表本格化の中部企業

更新日:2008年 10月31日 (金)

 中部地区に本社を置く上場企業の九月中間決算発表が本格化してきた。三十日はトヨタグループ九社がそろって決算を発表したが、金融危機に伴うトヨタの減産により七社が経常減益となった。全体でみても、これまで発表した社は経常減益が圧倒的に多く、景気の実態悪が決算の面でも浮き彫りになってきた。
 これまでも決算見通しを下方修正する企業が続出しており、この結果は予想できたこと。中でも金融危機の影響をもろに受けた東海三県の地銀は厳しく、中間期で九行中三行が最終赤字に転落見通し。株価低迷で保有有価証券の評価損や、米リーマン債券売却損の計上を余儀なくされるからだ。
 三十日の東京株式市場は三日連続高となり当面の危機を脱したかにみえるが、株価自体は九月末の水準を下回っており、まだ予断を許さない。
 個別の企業でみてもディーゼル車向け排ガス浄化装置(DPF)の需要が不振の日本ガイシが六期ぶりに減益となるなど、中部企業の成長の<エンジン役>が、かつての勢いをなくしている。金融危機に加え大幅な円高が、輸出比率の高い中部の企業に大きなダメージとなっている。
 原油・穀物安や円高で潤う業種もある。電力・ガスや食品加工業などがその代表例。しかし、円高によるマイナス効果は直ちに業績に響くが、メリットはやや時間を置いて表れる。全体の企業業績が悪化する中で、どこまで歯止めになるか疑問だ。
 一九八五年のプラザ合意による円高局面では「円高不況」は比較的短期に収束し、大幅な金融緩和がバブル経済を引き起こした。その経験から「円高はそれほど怖くはない」という向きもある。しかし、当時は世界的な金融危機は存在せず、今とは異なり金利引き下げで景気を浮揚させる余地があった。
 中部の企業にとっても当分、困難な状況は続こう。しかし、いたずらに萎縮して人件費や外注コストの過剰な切り下げに走れば、さらに内需を低迷させ企業業績に跳ね返るという悪循環を生みかねない。これまでの蓄積を生かして縮小再生産に陥らず活力を維持する方策を探ってほしい。

 

中部経済新聞の記事がスマホで読めます

2008年 10月31日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2008年10月 > 31日 > 論説 中間決算発表本格化の中部...