論説 株価急落と世界経済の今後

更新日:2008年 10月17日 (金)

 先進七カ国財務省・中央銀行総裁会議(G7)の金融対策にもかかわらず、日米の株価は再び急落、底なしの様相をみせてきた。
 十五日のニューヨーク株式のダウ工業株三十種平均は前日比七三三ドル安の八五七七ドルまで急落。それを受けて十六日の東京株式市場の平均株価も一〇八九円安の八四五八円に落ち込んだ。
 金融対策を好感して、いったんは反発したものの、景気後退の長期化懸念や大手企業の厳しい決算が引き金になり、売りが売りを呼ぶ展開に。東京市場けでも、国内景気や企業業績への警戒感が高まり、つれ安した。
 連日のエスカレーターのような相場展開に、投資家も「なす術がない」という心持ちだろう。米政府による大手金融機関への公的資金投入は決まったが、それだけで、経済の実態悪を救えるわけではない。金融パニックによる経済のショック死は防げても、消費や輸出の減少による需要不足は、株価にボディーブローのように響く。
 バブル崩壊時のわが国でも、金融機関への公的資金投入で当面の危機を乗り越えた後、株価は長期にわたってジリ貧を余儀なくされた。中国などへの輸出増加で、本格的に景気が回復するまでは、金融機関の不良債権の重しがついて回り、相場の足を引っ張り続けた。
 不況を抜け出したのは、バブル崩壊の痛手が少なかった中部地区の企業が機関車役を務めたことも大きい。浮利を追わず、地道にものづくりにまい進した企業が結局勝ち組になったことは、我々の成功体験として記憶に新しい。
 世界は今、金融システムのきしみと、それに続く恐慌の幻影に恐れおののいているように見える。繰り返し打たれるカンフル剤も、効果は一時的だ。特に金融立国を標榜し、ものづくりを軽視した国ほど痛手は大きい。
 中川昭一財務・金融相はG7でわが国の経験から、公的資金注入の必要性を各国に力説した。わが国としてはさらに進んで、ものづくりの重要性を各国に訴えていくべきだろう。経済の根幹はものづくりだとの認識が浸透することが、世界経済復活の端緒となろう。
 中部は、その先頭に立つ資格がある。

 

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