論説 米住宅金融2社が政府管理に

更新日:2008年 9月 9日 (火)

 サブプライム問題のため経営が悪化していた、米政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)に、大規模な救済策が実施されることになった。
 経営安定化のため政府の管理下におくと共に、公的資金による資本注入の枠組みを各一千億ドル設定し、資金繰りも支援することになった。米史上最大級ともいえる企業救済で、世界的な金融危機拡大を阻止するとの米政府の意思が明らかになった。
 これにより、八日の市場は株式、商品ともに値上がりし、ひとまず好感した形だ。経営責任を明確にするために、両社のトップは辞任。危機が表面化して二カ月足らずで、大規模な公的資金注入となった。
 銀行への公的資金投入に時間を要したわが国の政府に比べ、米政府の意思決定の早さが際立つ。両社は資金調達のため約一兆六千億ドルの債券を発行し、国内外の金融機関が大量に保有していたという。それだけに、この問題は深刻で、早期に手を打たないと大変なことになるという認識が当局者の間に共有されていたのだろう。
 だが、問題は残る。資金繰り支援のための公的資金投入は、一時の信用不安を和らげる効果はあるが、米住宅市場の低迷という根本原因が解決されないと、どこで金融不安に歯止めがかけられるのか未知数だ。加えて経営が悪化している米大手自動車メーカーに同じような事態が起きたときに、どう対応するのか。極めて難しい政治的問題になることが予想される。
 来年一月に発足する米新政権は、これら「負の遺産」に正面から取り組まざるを得ない。巨大企業が破綻した場合のリスクにどう備えるか。わが国も近年、手痛い経験をしただけに、その難しさはわかる。
 米財務省は、両社の資産規模を今後圧縮し、金融システムに与えるリスクを軽減するという。しかし、個別企業の信用不安を解消しても、必ずしもシステミックリスクの軽減とはならない。住宅金融市場の改革などで、同様の問題を二度と起こさないという、毅然とした姿勢が今こそ求められる。

 

中部経済新聞の記事がスマホで読めます

2008年 9月 9日の記事一覧

ニュースカレンダー

読み込み中...

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2008年9月 > 9日 > 論説 米住宅金融2社が政府管理...