景気の減速により最近、不動産業界に暗い話題が増えてきた。アーバンコーポレイションが東京地裁に民事再生手続きを申し立てたことから、国内の銀行は不動産業界に警戒の目を向けるようになっている。米サブプライムローン問題の余波で、外資系ファンドの活動が先細りになり、大都市圏の地価も頭打ちになっている。
国土交通省が二十日に発表した主要都市百地点の地価動向報告によると、七月一日時点の地価が三カ月前に比べ下落したのは三十八地点にのぼり、四月調査の九地点から急増した。
この調査は、土地の値動きを短期的に把握するのが目的で、同省が三カ月ごとに調査、公表しているもの。景気動向が地価に反映されやすい駅前の一等地にある商業ビルや高層マンションなどが対象。
地域別に見ると、下落地点の数は東京圏が四十三地点のうち十四カ所、大阪圏が二十六地点のうち十一カ所、名古屋圏が十一地点のうち十カ所で下落。特に名古屋圏では上昇箇所がなくなり、元気だといわれていた名古屋は、地価の面では他地域に比べて弱さが目立つ。
名古屋地区は調査対象が少ないものの、名駅前や伏見、栄、今池、覚王山などの主要な商業地、住宅地が取り上げられている。その中で、地価が前回比横ばいとなったのは名駅前地区だけ。
同省では、名駅前地区の優良物件は、法人投資家の需要があり地価は横ばい傾向にあるが、その他については選別が厳しくなると予測。名駅周辺地区は今後も発展が見込まれるが、大型ビルの供給が続き、空室率の上昇など投資リスクが高まっていると分析している。
名駅前地区は、これまで好調な名古屋経済を背景に、全国でも有数の地価上昇率を記録していたが、転換点を迎えたようだ。
これまで大都市圏の土地やビルを積極的に購入していた外資系ファンドへの資金流入の先細りなど、地価を支えていた要因に変化が見られるため、止むを得ない結果といえよう。しかし、銀行の不良債権の増額、貸し渋りなどにより、「いつかきた道」に逆戻りするのは避けねばならない。ファンドの動向に振り回されることなく、地価を安定的に保つためには都市の魅力向上などの地道な努力が不可欠ではないだろうか。
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