環境特集
プラスチックのリサイクル事情
※出所:Plastics Europe
プラスチック循環利用協会が発行している「プラスチックリサイクルの基礎知識2019」によると、2017年に国内で出たプラスチックごみのうちリサイクルされたのは86㌫。この数字だけ見ると日本はリサイクル先進国のように思えるが、内訳を見ると大半が「サーマルリサイクル」と呼ばれるものだ。これは焼却炉で燃やす際、発生する熱を発電や温水などに再利用すること。国際的にはリサイクルと見なされておらず、「エネルギーリカバリー」として別に扱われる。サーマルを除くと日本のプラスチックリサイクル率は27㌫に過ぎない。ただ欧州各国もそれに近い水準であり、今後どのようにプラスチックを扱っていくかが世界的な課題になっている。そうしたなかで脚光を浴びているのが「生分解性プラスチック」だ。通常のプラスチックと同等の耐久性がありながら、使用後は自然界に存在する微生物の働きで最終的にCO2と水に分解される。種類によって分解されにくかったり、コストがネックになっているが、環境意識の高まりを受けて着実に普及が進んでいる。日本はこの分野の研究でリードしており、今後の展開も注目される。