環境特集 企業の取り組み
豊栄工業
加工油の夾雑物(異物)を取り除く「静電浄油システム」の展開強化
自動包装機械や各種自動化、省力化機械メーカーの豊栄工業は、主に冷間鍛造で使用される油性加工油に混入した金属・非鉄金属の夾雑物(異物)を取り除き加工油を浄化にする環境機器「静電浄油システム」を製造販売している。
同社の静電浄油システムは、冷間鍛造やパーツフォーマーで使用される油性加工油に混入した異物である夾雑物(きょうざつぶつ)をフィルター式ではなく、遠心分離機と独自開発のコレクタを使用し捕捉するため、鉄やステンレス、アルミ、インコネルなど様々な物質に対応ができ、夾雑物が多い高濃度の油にも対応できる。
そのため、導入効果は加工設備の配管内に堆積する夾雑物を減少させることができるため、油圧低下などの保全費用の削減や、金型の延命や製品に対する圧痕等を防ぐことができ、品質面においても効果が期待できる。また、加工油の使用期間を2倍から3倍ほどに延命が可能であることから、油の廃棄量を抑えることができ、CO2削減など地球環境にも貢献する。最新モデルでは、コレクタを分解しなくても、洗浄できる一体型の新型コレクタを搭載。新開発の簡易洗浄機を使用すれば、洗浄工程の効率化が可能となる。
同システムは、主に国内の自動車部品メーカーに販売してきたが、日本から特殊な加工油を輸出して使用している系列の海外工場でも導入ニーズが高まり、今春から海外で同システムの拡販に本格的に乗り出す。